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新卒採用における注目キーワード「オヤカク」と対策ポイント

新卒採用における注目キーワード「オヤカク」と対策ポイント

オヤカクとは?

昨今、人材採用の現場では“オヤカク”という言葉があります。
オヤカクとは、「親(オヤ)の確(カク)認」の略称で、学生に対して内定承諾に関する親の意見を確認したり、企業側が親に直接、内定承諾の確認を行ったりすることを指します。

これから社会人になって自立していこうとしている学生を対象としているのに、その親についても採用担当者が意識しなければいけないというのは、意外に思う方もいるでしょう。
ただ近年、就職活動での親の影響力が高まっていることは間違いのない事実です。結果として、採用活動では「学生をいかにひきこむか」ということだけではなく、「親にいかに自社への入社を納得してもらうか」も重要なポイントとなっています。

そこでまずは、なぜ就職において“オヤカク”が必要になったのか、その背景を考えてみたいと思います。

「オヤカク」が必要となった背景

①少子化

大きな理由として挙げられるのが少子化の影響です。
少子化によって、現在はひとりっ子の家庭が多くなりました。そのため親が時間的にも精神的に余裕が生まれると同時に、子供への思い入れも強くなりました。親が1人の子供の進路により真剣に向き合うようになってきたことで、子供の学業や進路等に対して介入する機会が増えました。結果として就職活動における親の影響力が非常に高まったのです。

②法律改正等に伴う企業の労働環境等に関する報道の増加

また、法律改正等にともなう企業の労働環境などに関する報道の増加も理由として挙げられるでしょう。
働き方における法改正等が進んだこともあり、ブラック企業や長時間労働が社会問題として、以前よりも注目されています。また、過労死や過労自殺などのニュースも多く取り上げられるようになりました。そんな時代背景もあって、たくさんの愛情を注いで育てた子供が、就職先で不要なトラブルに巻き込まれぬように、就職先に対する調査や意見具申を行う親が増えました。

㈱マイナビが保護者を対象に行った調査によると、6割以上の保護者が子どもの就職活動に対し「不安がある」と回答しています。また、そのうち約25%の保護者が「子供がブラック企業にエントリーしていないか」を不安視していると回答しています(※1)。

(※1)引用:㈱マイナビ「就職活動に対する保護者の意識調査」(2022年2月)https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2022/02/2022.2.9_hogosha.pdf

「オヤカク」対策のポイント

①採用サイトで自社の情報を多く発信する

親が子供の就職後について、不安を感じていることはデータでも明らかになっている中で、実際に採用活動をする企業側は、どう“オヤカク”について考えていけばよいのでしょうか。
必要なことは、少しでも親たちの不安をやわらげ、安心感を持ってもらうことです。そのためにまずは、採用サイトで自社の情報を多く発信しましょう。就職先に関する情報が少ないことは、親は不安に感じさせてしまいます。そのため自社の事業内容や仕事内容、働き方や福利厚生、社風や社員の人柄など、親が安心できるような情報をできる限り多く発信することが重要となります。
また採用サイトを介して、親向けのメッセージを発信することも有効になるでしょう。親に向けてもメッセーがあるというきめ細かな対応は、親と会社の信頼感をも生むはずです。

②採用パンフレットや親御様向けの手紙や内定理由通知書をを郵送する

さらに情報提供という意味では、オンラインだけではく、採用パンフレットの郵送も行いましょう。
そして、親向けの手紙や内定理由通知書の郵送を行うことも効果があります。その学生を、どのような理由で採用するのか、また入社後の期待していることなどについて、親向けの手紙や内定理由通知書に記載することで、採用に際しての企業側の想いを伝えることを試みましょう。子供が会社でどのような人間関係の中で業務を行い、どのように働いていくのか、可能な限りイメージを作れる材料を提示することは、親たちにとって大きな安心感につながるはずです。

“オヤカク”と聞けば、率直な感想として“いい大人に対して過保護すぎないか”と感じる方もいるかもしれませんが、現代の時代背景に即して、求職者だけでなく、親の信頼も得ることが採用活動には必要になります。

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この記事の監修・筆者

大園 羅文
大園 羅文(株)新経営サービス コンサルタント
「採用・定着コンサルタント」として、中堅・中小企業を対象とした人材採用支援(新卒・中途)、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。 特に、『採用・定着力の強化』を得意テーマとしており、中小企業独自の問題に対する支援を通じて、“若手社員が辞めない・成長する組織づくり”をテーマに掲げている。
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