採用戦略策定のポイント紹介サイト | ヒトノトリカタ

ヒトノトリカタ HOME > 記事一覧ページ > 中途採用 > 面接・選考活動【中途】 > 選考辞退の防止に有効な3つの施策
選考辞退の防止に有効な3つの施策

選考辞退の防止に有効な3つの施策

2022年08月23日 (更新日:2023年04月26日)

選考辞退の防止は、売り手市場が進行する現代の採用活動において、最重要施策の1つと言えます。

選考を辞退するためには、面接官の対応や社員との交流機会が重要であり、そのためには、社員同士が密に連携を図りながら、採用活動を推進することが求められます。

本コラムでは、中途・新卒採用における選考辞退の現状とその背景・理由をもとに、選考辞退を防止するための3つのポイントを解説します。

中途・新卒採用における選考辞退の現状

中途採用における選考辞退の現状

エン・ジャパン㈱の調査によると、転職活動において選考辞退をしたことのある求職者は全体の55%と半分以上にのぼります。また、選考辞退率を年代別で見ると、20代が46%、30代が55%、40代以上は57%となり、年齢が上がるにつれ辞退数が増加しています。

また、選考辞退したことのある社数を聞いたデータでは、2社以上が全体61%にのぼるなど、多くの求職者が複数社において選考辞退をしていることが分かります。

※出典:エン・ジャパン㈱「9000人に聞いた『エン転職』アンケート(2022年9月)」

新卒採用における選考辞退の現状

㈱インタツアーの調査によると、選考・内定辞退をしたことのある学生は、全体の75.7%にのぼります。つまり、中途採用と同じく、売り手市場の進行に伴って多くの学生が選考辞退をした経験を持っているのです。

実際に、多くの中小企業では「選考途中での辞退が相次いで発生している」「選考予定だったのに、当日に無断キャンセルする学生が増加した」など、選考辞退によってスムーズな選考活動ができておらず、採用目標の達成や求める人材の獲得における深刻な課題となっています。

求職者・学生が選考辞退する理由

では、なぜ求職者・学生は選考辞退をするのでしょうか?主な理由として、以下が挙げられます。

【中途】①他社の選考が通過した

中途採用における1つめの辞退理由は、他社から内定を取得したケースなど、自社よりも早く他社の選考を通過したことです。

この売り手市場下では、複数社に対して応募を行う求職者も多く、同時並行で他社の選考を受けている求職者が殆どです。その場合、自社の選考途中であっても他社から先に内定を取得した時点で転職活動を終了するため、この理由が最も多いのです。

そのため、自社の選考中に求職者の転職活動状況や他社の選考状況を確認し、可能な限り他社よりも早く内定を付与できるよう、スムーズな選考を行うことが内定辞退の防止に有効です。

【中途】②ネットで良くない口コミを見た

2つめの辞退理由は、「ネガティブな口コミを見たため」という理由です。

現代では、企業の働き方や給与・待遇、評価等に関する社員の口コミを掲載したサイトが多く存在します。オンライン採用が主流となっている昨今では、このような口コミサイトを参照して、自身の就職先候補となる企業を探す求職者も少なくありません。

その中で、自社に関する口コミでネガティブな意見が多くみられる場合、「興味を持って応募したが、実はあまり良くない企業なのでは・・・」と思い、選考途中で辞退する求職者が増加しているのです。

【中途】③企業の応対が悪かった

3つめの辞退理由は、「企業の応対が悪かったため」という理由です。

この背景として、例えば「合否や面接日程調整の連絡など、諸連絡に関するレスポンスが遅い」「面接官が不誠実な対応だった」「会社訪問時に会った社員が無愛想だった」など、面接官や社員の印象が悪かったことが考えられます。

優先順位の違いはあれど、中途・新卒ともに「どこで・誰と働くか(=企業の社風や社員の人柄など)」は就職先を決める上での重要指標となります。そのため、会社の代表者として求職者と接する面接官をはじめ、求職者から見て不誠実と思われる対応をしている場合は、ネガティブな印象を与え、結果として選考辞退されてしまいます。

【新卒】①面接官の印象が悪かった

新卒採用における1つめの辞退理由は、「自身の選考を行った面接官の印象が悪かったため」という理由です。

先述の通り、求職者にとって「どこで・誰と働くか(=企業の社風や社員の人柄など)」は就職先を決める上での重要指標となりますが、社会人経験のない学生にとって、これはより顕著です。

また、昨今では売り手市場の進行に伴う人材確保の困難化を背景として、選考フローの見直しや面接官の育成に注力する企業も増加しているため、各社の面接の質にバラつきが生じています。各社が学生にとってホンネで話しやすく、また相互理解が深まる面接を行っている中、仮に自社が上から目線のやや高圧的な面接を行っていた場合、当然ながら学生にとって印象は良くないでしょう。

そのため、学生の志向・価値観を踏まえて、学生1人ひとりに寄り添った面接にアップデートをさせるなど、誠実な対応を行うことが重要です。

【新卒】②働くイメージが持てない・仕事の面白さが分からない

2つめの辞退理由は、「入社後の働くイメージや仕事の面白さ・やりがいが分からないため」という理由です。

社会人経験のない学生にとって、「本当にこの会社・仕事が自身に向いているのか?」は多くの学生にとって不安・悩みを抱く要素であることから、働くイメージが持てないことや仕事の面白さ・やりがいが曖昧であることは、選考辞退の1つの要因となり得ます。

そのため、面接の場を通じて、学生の志向・価値観だけでなく、希望職種とそのイメージ、やりがい等に関するヒアリング・対話を通じた仕事内容とそのやりがいに関する具体的な情報提供や、入社~配属までの流れや研修スケジュール、キャリアパスの説明を通じた入社イメージの醸成を行うことが、選考辞退の防止に有効です。

【新卒】③会社の価値観・風土や社員の雰囲気が合わなそう

3つめの辞退理由は、「会社の価値観・風土や社員の雰囲気とのミスマッチを感じたため」という理由です。

「どこで・誰と働くか(=企業の価値観・風土、社員の雰囲気)」を重要視する学生にとって、仮に仕事内容や給与・待遇が魅力的であっても、自身が大切にする価値観や風土とのミスマッチを感じた場合は、選考を辞退する学生が多いのです。

一方で、価値観や風土といった目に見えない要素は、「なんとなく合わなそう」という曖昧さを生じさせやすいことから、採用説明会や面接の場を通じて、より会社の価値観や風土を体感させ、曖昧な理由での辞退を防止することが重要です。

選考辞退を防ぐ3つのポイント

①面接官の教育を行う

多くの求職者・学生における入社可否の判断基準は「人(=誰と働くか)」です。そして、それを判断する際に最も重要となる人物こそ、最初に関係を持つ“面接官”なのです。

そのため、面接官が適切な見極め・動機づけを行えるよう、面接官研修・トレーニング等を通じて、面接官の力量アップを図ることが極めて重要です。あらためて面接官の教育を積極的に行うように心がけましょう。

★面接官トレーニングのご案内はコチラ★

②選考中に出来る限り多くの社員との接点を設ける

さらに選考中に、求職者・学生において最も重要な判断基準である「人」に関する魅力をアピールするためにも、選考中に座談会や会社見学会などのイベントをできるだけ盛り込みましょう。
これぬより求職者・学生が多くの社員との接点を設けることができます。意図的に社員との交流機会を設け、積極的にコミュニケーションをとることは、求職者・学生との信頼感の醸成につながるはずです。

③一人一人に寄り添い、全社的な取り組みとして採用活動を行う

また、求職者・学生一人一人に寄り添うためには、全社的な取り組みとして、採用活動を行っていくことが重要です。
選考中に座談会や会社見学会などのイベントを行うことは、人事部だけでできることではありません。人事部以外の社員の協力がなければ、成功させることは不可能です。よって求める人材の採用に向け、社員同士が密に連携を図りながら、採用活動を推進することが重要になります。

また、ひとりひとりの想いや悩みに寄り添い、可能な限りの個別フォローを行うことも、人材採用を成功させるポイントになるでしょう。
社会人として新たなスタートを切ろうとしている多くの求職者・学生は様々な不安を抱えるはずです。そんな人たちに積極的に寄り添い、コミュニケーションをとれば、求職者・学生側の「なんとなく合わなそうだから」などの曖昧な不安を和らげることができるはずです。また、求職者・学生に寄り添うことで培われた信頼関係は、入社後も会社の成長に役立っていくはずです。

カテゴリーから記事を探す

タグから記事を探す

この記事の監修・筆者

大園 羅文
大園 羅文(株)新経営サービス コンサルタント
「採用・定着コンサルタント」として、中堅・中小企業を対象とした人材採用支援(新卒・中途)、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。 特に、『採用・定着力の強化』を得意テーマとしており、中小企業独自の問題に対する支援を通じて、“若手社員が辞めない・成長する組織づくり”をテーマに掲げている。
採用戦略コンサルティング
採用戦略コンサルティング
サービスのご案内
採用戦略コンサルティング
ムダな時間・コストを掛けず効率的・効果的な採用活動を行うためには、欲しい人材を獲得するための採用戦略(=勝ちパターン)を策定することが重要です。