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内定ブルー防止へ!起こる時期・原因と内定式でやること

内定ブルー防止へ!起こる時期・原因と内定式でやること

2022年08月29日 (更新日:2023年04月08日)

入社前の内定者が抱く漠然とした不安感を指す「内定ブルー」。不安の大小はあれど、誰しもが内定ブルーに陥ると言われており、これを放置すると、内定辞退に繋がる可能性があります。

この内定ブルーを解消するためには、内定式や内定者研修をはじめとした内定者フォローや社員との交流機会の創出を通じた動機づけが有効です。

本コラムでは、内定ブルーが起こる時期や原因、内定ブルー防止に有効な内定式とその成功事例をご紹介します。

もくじ

内定ブルーとは?

内定ブルーとは、内定を承諾して就職活動を終えたものの、「本当にこの企業が自身にとって最適な就職先なのか?」「自分はこの企業で活躍していけるのか?」など、次第に漠然とした不安が強くなり、憂鬱な気持ちになることを指しています。

㈱マイナビの調査によると、「入社予定企業を決めたあとに、『本当にこの会社でいいのか』と不安になったことがある学生の割合」は、全体の51.9%に上るなど、半数以上の学生が内定ブルーに陥っています。

この主な背景として「採用のオンライン化」が挙げられ、内定付与までに対面での接触機会が限定されたことで、「内定先で働くイメージが持てない」「社風・社員の人柄が分からない」などの懸念事項が解消しきれていないことが考えられます。

※出典:㈱マイナビ「マイナビ 2023年卒 学生就職モニター調査」

内定ブルーに陥りやすい時期とその原因

では、内定者が内定ブルーに陥りやすい時期はいつなのでしょうか?

内定直後と大型連休後は内定ブルーに陥りやすい!

内定ブルーに陥りやすい時期の1つに、内定直後が挙げられます。

これは、ある種の「燃え尽き症候群」が原因であり、選考中は「内定を獲得する」ことを最大の目的として就職活動を行っていたものの、内定獲得という1つの目標をクリアしたことで、逆にモチベーションが下がってしまうケースです。内定を付与されたことで、より真剣に内定先への就職を考えるようになった結果、先述のような不安を覚え、内定ブルーに陥ってしまうのです。

また、夏休み・冬休み期間などの大型連休後も、内定ブルーに陥りやすい時期と言えます。

それは、大型連休を通じて友人や家族との交流機会の増加に伴い、内定先のことを話す機会が増えた結果、先述のような不安を覚え、内定ブルーに陥ってしまうためです。あるいは、友人の内定先の話を聞き、自身の内定先と比較してしまい、「本当にこの企業が就職先として最適なのか」と不安に思うケースも多いです。

以上を踏まえると、内定ブルーが起こる原因として、以下が挙げられます。

原因①会社・社員の理解不足

内定ブルーは、内定先への漠然とした不安を覚えることを指しますが、その最も大きな原因として「会社・社員の理解不足」が挙げられます。

つまり、「この会社が自身にとって最適な就職先である」と確証を持つための十分な情報を提供できておらず、会社の社風・価値観・社員とのマッチングといった「社風・人」への不安や、仕事内容と魅力・やりがい・難しさといった「事業・仕事」への理解不足が、内定ブルーに陥ってしまう原因なのです。

これを解消するためには、内定後に改めて会社説明を行うことや、社員との交流機会を設けることで、上記の不安を解消することが重要となります。

原因②会社との接触機会(タッチポイント)の不足

上記の原因と関連しますが、定期的な会社との接点がない場合は、「この企業は、本当に自身を歓迎しているのか?」という不安を覚えやすく、内定ブルーに陥りやすくなるでしょう。

そのため、会社・工場見学や内定式、内定者研修などを通じて、定期的に内定者との接点を設け、内定者の安心感を醸成させることが重要です。

原因③相談機会の不足

選考段階では、本当は聞きたかったこと・知りたかったことも、内容によってはなかなか聞けないものです。しかし、それを放置しておけば、内定者の不安を払拭することができず、内定ブルーに陥ってしまいます。

そのため、内定者との個別面談を通じて、内定者1人ひとりが抱える悩み・不安を解消するなど、内定者に寄り添ったフォローを行うことが重要です。

内定ブルーを防止する3つの施策

①社員座談会を通じて「社風・人」の理解度を高める

中途・新卒ともに「どこで・誰と働くか」は就職先を決める上での重要指標となります。

そのため、社員座談会を通じて、可能な限り多くの現場社員との接点を用意し、様々な社員との交流を図ることで、会社・社員の雰囲気や志向・価値観を体感させ、入社イメージを醸成することが重要です。

②内定者面談を通じて個別の悩み・不安を解消する

内定者によっては、個別に相談に乗ってほしい方もいるでしょう。そのため、定期的に内定者との個別面談を行い、各自が抱える不安・悩みを払拭すると同時に、入社に向けた動機づけを図ることが重要です。

③内定式を通じて、入社前の不安解消やモチベーションアップを図る

入社前の不安解消やモチベーションアップを図るためには、内定式が有効です。内定式とは、内定通知書の授与等を通じて、企業が正式に内定者へ内定を伝え、入社の承諾を得るイベントです。内定式は一般的に10月1日に行う企業が多く、例年ニュースなどでも取り上げられています。

そんな内定者にとって最大のイベントとも言える内定式ですが、通過儀礼的に行う企業も少なくなく、内定式を行うことで、内定者のモチベーションを低下させてしまうケースも見受けられます。

そこで、次項からは、入社前の不安解消やモチベーションアップにつながる内定式のやり方と成功事例を解説します。

内定式とは?内定式の実施メリット

入社前の不安解消やモチベーションアップに繋がる

内定者にとっては、面接以来の社長や役員、先輩社員との交流機会となるため、入社前の不安解消やモチベーションアップが期待できます。

内定者同士の連帯感を生み出す

内定式や内定者研修を通じて、同期となる内定者同士が交流できることから、連帯感を生みだせることもメリットです。
また、採用担当者は、内定者一人一人のコミュニケーションを観察することで、配属先を決める際の参考にもなるでしょう。あるいは、内定式の場で内定者本人に配属先の希望を聞いてみることで、入社後のモチベーションや働きがい向上につなげることもできます。

基本的な内定式の内容

①内定通知書の授与

多くの企業が実施しているのが「内定通知書の授与式」です。内定式の本来の目的でもあるため、内定通知書の授与は必須と言えます。
また、内定者側も、内定式の場で内定通知書をもらうことで、入社意識が高まります。

②経営者・人事責任者からの挨拶・激励の言葉

採用側である経営者や人事責任者からの挨拶や激励の言葉も必須と言えます。
「どういう意図があって今回のメンバーを採用したのか」「入社後、何を期待しているのか」などを伝えることで、内定者も周囲から期待をされて採用されたことや、自分に求められていることを正しく理解することができます。

③内定者懇親会

同期同士や上司・先輩社員との交流機会も設定すると、内定者にとっても有意義な時間になります。

④今後のスケジュールおよび提出書類等の事務連絡

学生が今後の流れを把握できるよう、入社までのスケジュールを伝えることも重要です。
また、成績証明書や卒業見込み証明書、健康診断書といった提出書類とその納期についても、前もって伝えておくと良いでしょう

入社前の不安解消やモチベーションアップに繋がる内定式の成功事例

【事例①】IT企業A社による“サッカー代表選出の記者会見”風の内定式

主役は内定者。ユニークな方法で社員全員が温かく内定者を迎えることで入社意欲の向上を実現した内定式

個人向けインターネットサービスを提供しているIT企業A社の入社式は、「内定者に自社の企業理念を体感してもらいたい」という想いから、毎年ユニークな内定式を実施しています。

世界中がサッカーW杯で盛り上がった2019年の内定式では、「サッカーの代表選出の記者会見」をイメージした内定式を実施し、注目を集めました。
この「“サッカー代表選出の記者会見”風の内定式」は、次頁のスケジュールで行われ、社長自らが「代表監督」の役を演じ、採用した経緯や期待事項などを伝えることで、内定者にとって思い出に残るような内定式となりました。

また、「内定者を主役にしたい」という想いから、内定者一人ひとりを紹介するプレゼンテーションや会場内の全員が参加できるような演出を盛り込んだりと、会場全体で内定者をお祝いするような内定式とすることで、内定者の入社意欲を高めることに成功しています。

【事例②】アパレル会社B社による「ドレスコードは自分次第」の内定式

アパレル会社らしく、「自身が思う1番オシャレなコーディネート」で参加し、  “ベストファッショニスタ”を決める内定式

アパレル会社であるB社の入社式は、「ドレスコードは自分次第」という、アパレル会社らしい形式で内定式を行っています。

「自身が思う1番オシャレなコーディネート」をテーマに内定式を執り行っているB社では、全国の内定者の中から「一番オシャレだった内定者」を選び、“ベストファッショニスタ”として表彰します。

この入社式は、アパレル会社らしい斬新な内定式であるだけでなく、「内定式のとき、〇〇で一番になった!」「〇〇で高評価された!」など、内定者の自信にもつながるため、内定者の入社意欲を高めることができる内定式と言えます。

以上のように、内定式を通過儀礼的に行うのではなく、『当日までに課題を課し、内定者がアイデアを持ち寄って競い合う』というB社の事例は、ユニークな好事例の1つとして注目されています。

【事例③】旅行会社C社による「秋景色を楽しむ内定式」

観光を楽しみながら内定式!旅行会社ならではの「お座敷列車で行う内定式」

多くの企業が内定式を行う10月は、日本各地で秋景色を楽しめる季節です。
そんな季節下を活用し、旅行会社D社の内定式では、人事交流のある鉄道会社の協力のもと「お座敷列車の車内」で内定式を行いました。

C社の内定式では、オフィスを構える東北地方の観光資源を体感してもらうことで、旅行・観光の楽しさと、お客様のニーズに沿って旅行プランを立てる、といった自社の仕事のやりがい・魅力を訴求し、入社意欲の向上を実現しています。

C社の事例と同様に、自社の商品・サービスを実際に体感してもらうことで、自社の事業・仕事へのロイヤリティを高めることができる内定式は、内定辞退の防止だけでなく、入社後のモチベーション向上に繋げることができる、良いコンテンツになります。

内定式を成功させるためのポイント

内定式のポイントは、自社の商品・サービスを活用しつつ、社員との交流を通じて理念・社風を体感させること!

以上のようなユニークで面白いインターンシップの内定式事例を見ると3つの共通項があります。

  • 自社の商品・サービスなどのリソースを活用し、内定者を楽しませるコンテンツが盛り込まれている
  • 単にユニークなだけではなく、社員との交流を通じて理念や風土を体感してもらうことで、学び・気づきのある内定式を執り行っている
  • 以上を通じて、企業との一体感を醸成し、内定者の入社意欲やモチベーションの向上を実現している

内定後の学生は内定ブルー(=就職することへの不安)に陥るケースが多く、「企業側からのフォローがない」「周囲から就職することに対して反対に合った」などがあると、最悪の場合、内定辞退に繋がります。

そのため、内定式についても通過儀礼で行うのではなく、内定者の不安を解消できるような自社なりのコンテンツを盛り込み、内定者が「この会社で良かった!」と思えるような内定式を行うことが重要です。

なお、本サイト「ヒトノトリカタ」では、先述の内定式における成功事例をはじめ、主な新卒採用活動である「インターンシップ」「採用説明会」「採用面接」「内定式」「入社式」のそれぞれにおいて、他社とは全く異なるユニークな採用活動を行うことで、欲しい人材を獲得している30社の成功事例とポイントを解説した小冊子を、無料でダウンロードいただけますので、ぜひご参考ください。

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この記事の監修・筆者

大園 羅文
大園 羅文(株)新経営サービス コンサルタント
「採用・定着コンサルタント」として、中堅・中小企業を対象とした人材採用支援(新卒・中途)、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。 特に、『採用・定着力の強化』を得意テーマとしており、中小企業独自の問題に対する支援を通じて、“若手社員が辞めない・成長する組織づくり”をテーマに掲げている。
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