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【成功事例】『面白い』入社式事例と成功させるためのポイント

【成功事例】『面白い』入社式事例と成功させるためのポイント

2022年12月23日 (更新日:2023年04月13日)

毎年、各社で執り行われる入社式。多くの企業では、社長のスピーチや先輩からの祝辞、辞令交付等を通じて、「新入社員に社会人としての“自覚”を促すこと」を目的に、入社式を執り行います。

しかし、新卒社員にとって「社会人として」初めての行事である入社式は、新卒社員の記憶にも残りやすく、入社後のモチベーションを大きく左右する重要なイベントと言えます。

今回は、主な入社式のプログラムやSNS等で話題となった面白い入社式事例、入社式を成功させるためのポイントをご紹介します。

入社式は何を目的に実施するのか?

入社式は毎年の恒例行事であるため、そもそもの目的や意義が形骸化している企業が散見されます。入社式を行う目的は、企業によって異なるかもしれませんが、多くの場合は社長のスピーチや先輩からの祝辞、辞令交付等を通じて、「新入社員に社会人としての“自覚”を促すこと」を目的に実施します。

近年、早期離職率が高いことに悩みを持つ企業も多いですが、新社会人にとっての初行事である入社式を工夫することで、新入社員に「ここに入社してよかった」「これから頑張ろう」と思わせ、高いモチベーションで仕事に取り組んでもらうことができれば、結果的に早期離職率の改善につながるかもしれません。また、他社が実施していないようなユニークな入社式を実施することで、世間から注目を集め、企業PRに繋げることも可能です。(入社式の様子を採用サイトやナビサイト、SNS等で配信し、自社の認知度を向上させるなど)

主な入社式のプログラム

入社式のプログラムや進め方は各社によって異なりますが、一般的には以下のような流れで執り行います。

開会の辞 ~社長挨拶~

まずは、企業の代表者による挨拶を行います。新入社員への歓迎の言葉や、企業や組織のビジョンや方針について語ることで、組織の一員となったことを再認識してもらいます。

経営理念・社歌の唱和

新入社員も含め、社員全員で経営理念や社歌を唱和します。
なお、新入社員に経営理念の唱和を求めることは難しいため、経営理念や歌詞カードを配布する企業もあります。

入社辞令書授与

新入社員に入社証書や社章を授与します。この際、会社の代表である社長や役員から直接手渡し・握手などをすると、新入社員とってより印象的な入社式となるでしょう。

新入社員挨拶

入社を迎えた新入社員から、自己紹介や入社の抱負、意気込みなどを発表してもらいます。新入社員が少数であれば個別に、大人数であれば代表者がスピーチするケースが多いです。

また、スピーチ終了後は、新入社員の歓迎ムードを醸成するため、大きな拍手で讃えてあげると良いでしょう。

閉会の辞 ~上司挨拶~

最後に、新入社員の直属上司にあたる役員や管理職の社員から、新入社員へ激励の言葉を送り、式を締めくくります。

この激励の言葉は、上司自らが熱く語り掛けることで、新入社員のモチベーションをより高めることができるため、事前準備は必須です。

オリエンテーション・懇親会

入社式は以上ですが、このほか入社後の研修や配属先、会社のルールや福利厚生、必要な提出書類等の説明も行います。入社後の予定が気になる新入社員も多いため、入社後~数か月程度の大まかな流れや研修スケジュール等を共有すると良いでしょう。

また、入社式後は、配属部署ごとに座談会・懇親会を執り行い、新入社員との交流を深めると、より印象的な入社式となります。

【事例①】靴用品メーカーによる「靴磨き入社式」

~自社商品を活用した「靴磨き」を通じて、部署内のコミュニケーションを活性化~

創業117年の老舗靴用品メーカー様の入社式は、先輩が新入社員に靴磨きを教え、新入社員が先輩の靴を磨く「靴磨き入社式」を実施しています。

靴磨き入社式は、以下を主な目的として実施しており、1971年から現在に至るまで毎年恒例で行っています。

  • 自社製品に初めての仕事で触れてもらい、会社への愛着を生み出すこと
  • 商品を使って新入社員と先輩社員とのコミュニケーションを活性化させること

「靴磨き」という同社にとって重要な作業で、先輩が新入社員に対して道具の使い方や、布の持ち方などを丁寧に指導し、実際に新入社員が靴磨きを実践することで、配属後も部署内の連携がスムーズになったそうです。

また先輩社員も、自身が新入社員だった頃を思い出し、初心に帰るタイミングとして有益な時間となっています。

【事例②】食品・調味料販売会社による「親子同伴入社式」

~入社式の主役である新入社員が、両親に対して感謝や想いを伝える感動の入社式~

近年、親の意向により内定辞退を希望する学生が増加していることから、「親対策」が採用活動上の重要な施策の1つとなっています。

上記の状況を踏まえて、食品・調味料販売を営む同社は、新入社員の両親に自社への安心感を持ってもらうことを目的に、2005年から親子同伴での入社式を行っています。

同社の入社式では単に両親を呼ぶだけでなく、新入社員が両親へ今までの感謝や想いを伝える「声の手紙」を発表することで、新入社員とその両親にとって記憶に残る入社式を行っています。

同社以外にも、入社式に出席した保護者に自社商品を手渡す企業や、サプライズメッセージとして入社式時に両親から預かった手紙を読む企業など、新入社員の親を巻き込んだ入社式を行う企業は、近年増加傾向にあります。

【事例③】総合リゾート運営会社による「契りの会」

~会社と社員の垣根を超えたサービス業界ならではの入社式~

総合リゾート事業を営む同社は、「顧客は友人、社員は家族」という同社が大切にしている価値観を浸透させることを目的に、大きな横断幕に手形で契りを残す、「契りの会」という入社式を毎年恒例で実施しています。

新入社員は、働く上での決意と目標を1人ずつ川柳で発表した後、手のひらに絵具をつけ、横断幕に自身の手形を押していきます。

この手形の契は、以下のような「会社と社員で結ぶ2つの約束」を意味しています。

  • 会社が社員に対し、法律上の雇用関係だけではなく、時には雇用主と雇用者との関係を超えて社員を助けるという約束
  • 社員が研修を通じて理解した、組織の文化に寄与するという約束

同社の入社式は5日間の入社前研修の最終日に行われ、その研修では接客研修や経営に関するデータ分析などの座学プログラムだけでなく、自分たちで食事の準備や客室の清掃を行うなど、ホテル運営の基本と同社の組織文化を学ぶことができます。

そして入社式時に、新入社員は「入社式前に学んだ研修を、1人1人がその後の仕事に活かすこと」、企業は「新入社員を仲間として受け入れ、会社がサポートして乗り越えていくこと」を、それぞれの約束事として交わすことで、社員の入社後のモチベーションを高めています。

業界の多様化等に伴い、サービスレベルの向上並びに他社との差別化が重要となるサービス業ならではの狙いを持った入社式は、業界問わず注目を浴びています。

入社式を成功させるためのポイント

~会社全体で歓迎ムードを醸成しつつ、「何を伝えたいのか(≒実施目的)」を明確に!~

「面白い入社式事例」を3つご紹介しましたが、各社の共通点として以下が挙げられます。

〔ポイント〕

  • 会社全体で新入社員の歓迎ムードを醸成しており、入社前の不安を解消する
  • 企業風土や価値観、事業の強みなどを体感できるコンテンツを盛り込むことで、新入社員のモチベーションや自社へのロイヤリティを高める
    ⇒「何を伝えたいのか」が明確になっている
  • 「対新入社員」だけでなく、「親対策」や「企業PR」にも有効活用し、採用ブランディングの強化を図っている

入社式は新入社員にとって新社会人のスタート地点です。通過儀礼で行うのではなく、「何のために実施するのか」「入社式では何を、どのように伝えるのか」について再度検討し、新入社員が「この会社で良かった!」と思えるような入社式にリニューアルされてはいかがでしょうか。

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この記事の監修・筆者

大園 羅文
大園 羅文(株)新経営サービス コンサルタント
「採用・定着コンサルタント」として、中堅・中小企業を対象とした人材採用支援(新卒・中途)、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。 特に、『採用・定着力の強化』を得意テーマとしており、中小企業独自の問題に対する支援を通じて、“若手社員が辞めない・成長する組織づくり”をテーマに掲げている。
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