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なぜ、求職者は選考辞退をするのか? ~調査データから見る、求職者の選考辞退理由~

なぜ、求職者は選考辞退をするのか? ~調査データから見る、求職者の選考辞退理由~

売り手市場の進行に伴い、求職者の選考・内定辞退に悩む企業が増加しています。

また、最近では選考前に辞退するケースも増加しており、応募~選考前後の辞退を減らすことが採用の成否に大きく影響すると言えるでしょう。

今回は、エン・ジャパン㈱の調査データをもとに、「求職者の選考辞退理由」について解説します。

※出典:エン・ジャパン㈱「選考辞退に関する意識調査」(2022年9月)
(https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/30713.html)

求職者による選考辞退の実態

そもそも、どの程度の求職者が選考辞退の経験があるのでしょうか?

下図は、転職活動における選考辞退の経験を聞いたものですが、ご覧の通り55%もの求職者が選考辞退を経験しており、その割合は年齢が上がるにつれて辞退数が増加していることが分かります。

また、辞退社数と辞退するタイミングを見てみると、6割が2社以上辞退したと回答しており、タイミングとしては面接前が最多という結果になりました。

求職者の選考前後・内定後における辞退理由

次に、求職者が選考前後や内定後に辞退した理由をそれぞれ見ていきましょう。

①選考前の辞退理由

まずは、選考前における辞退理由についてです。
辞退理由としては、「他社の選考が通過したため(31%)」「ネットで良くない口コミを見たため(22%)」「企業の応対が悪かったため(21%)」が多いという結果でした。
他社の選考結果による辞退理由は仕方ない面もありますが、ネット上のネガティブな意見や企業の応対による辞退も相当数いるようです。

②選考後の辞退理由

次に選考後の辞退理由を見ていきましょう。辞退理由としては、「求人情報と話が違ったため(42%)」「他社の選考が通過したため(28%)」「雰囲気が悪かったため(27%)」「面接官の態度が悪かったため(27%)」が多いという結果でした。

③内定後の辞退理由

最後に内定後の辞退理由ですが、辞退理由としては、「他社の選考が通過したため(37%)」「提示された条件がイマイチだったため(37%)」「雰囲気が悪かったため(14%)」が多いという結果でした。
内定付与後は、他社の選考結果に加えて、処遇面での折り合いがつかなかったことが主な辞退理由となっているようです。

④辞退の決め手・入社の決め手

最後に、辞退の決め手となったエピソードについても確認しておきましょう。
以下の通り、総じて企業・面接官の対応を見て辞退を決めた求職者が多いことが分かります。

〔辞退を決めたエピソード〕 ※一部抜粋

〇面接官の話を聞く態度がとても悪かった。リアクションしない、話している途中に携帯を触るなど不快な態度で、この会社はいい加減な仕事の仕方をしているのではと疑い辞退した。
〇最初の面接後、その場で二つ返事で内定が出たこと。誰でもいいのかな?と思い、また考慮や慎重さに欠けるように見えた。
〇面接に行って社内に入った時の雰囲気。こちらが挨拶しても会社側は仕事に集中しすぎていて、誰一人挨拶がなく無視された。この会社は無いと判断し、すぐ帰ろうと思った。
〇面接官の遅刻が決め手。忙しい中で面接してもらえたのは嬉しかったが、面接に30分以上遅刻したのは印象が悪かった。

一方で、入社を決意したエピソードには、どのようなものがあるのでしょうか?
辞退の決め手が「企業・面接官の対応」であったのに対し、入社の決め手も総じて「企業・面接官の対応が良かったこと」であることから、『求職者に対して面接前後にどのような対応を行うのか?』が求職者の入社有無に大きく影響していることが分かります。

〔入社を決めたエピソード〕 ※一部抜粋

〇こちらの就活の軸を否定せず、「その考えは正しい」と断言してくれた社長がいた企業は働きたいと思った。
〇「あなたの人生がかかっているため、納得して入社を決めることができるよう、さまざまな会社をしっかり見極めるべき」と言われ、会社だけでなく、転職者への思いやりを感じた。
〇人事から「前回の面接官が、面接をして花丸を付けたのはあなたが初めてだった」と言われたとき。また社長との最終面接で、社長がとても話しやすかったことも決め手の一つ。
〇新型コロナウイルス感染拡大前だったが、内定をもらった際に「君の力に期待しているよ」と両手で握手を求められた時は、必要とされていると思い内定を承諾する決め手になった。

求職者の辞退・内定承諾理由を踏まえた対策

以上を踏まえると、求職者の選考前後を辞退し、内定承諾率を高めるためには、以下の点に留意することが重要と言えます。

【選考前】

〇他社の選考結果による辞退を防ぐため、応募~選考までのレスポンスを早めつつ、求職者との連絡は親切丁寧なやりとりを心掛ける(応募の御礼・選考日程の調整など)
〇口コミサイトを中心に、ネット上に自社のネガティブな意見が挙がっていないかをチェックする

【選考中・内定後】

〇求人情報との齟齬がないよう、面接官と求人情報を共有しておく
〇面接官は好感を持たれる対応を心掛ける
〇オフィスやお手洗いなど、職場環境を綺麗にしておく
〇面接がある旨を社内共有しておき、求職者への配慮や挨拶等を社員に徹底させる
〇他社の選考結果による辞退を防ぐため、内定通知は迅速に行う

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この記事の監修・筆者

大園 羅文
大園 羅文(株)新経営サービス コンサルタント
「採用・定着コンサルタント」として、中堅・中小企業を対象とした人材採用支援(新卒・中途)、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。 特に、『採用・定着力の強化』を得意テーマとしており、中小企業独自の問題に対する支援を通じて、“若手社員が辞めない・成長する組織づくり”をテーマに掲げている。
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