コロナが変えた、新卒採用の『常識』
2022年08月22日
学生との出会いの場は「採用説明会」から「インターンシップ」に
『46.5%』。これは、㈱ディスコが2022年4月に発表した、4月1日時点の学生の内定取得率です(※1)。これは言い換えれば、大学4年生になったと同時に内定を持っている学生が5割近くに上ることを指しています。この背景として、経団連が定めた、所謂「就活ルール」が廃止されたことが挙げられ、企業による採用活動の早期化が進み、内定付与を通じて欲しい学生を早期に囲い込もうとする企業が増加していることが分かります。
では、このような企業は、どこで学生と接点を設けているのか。それは、プレ期の活動、つまりインターンシップを通じた母集団形成を行っているのです。 実際、同社の調査によると、同月に内定を付与された学生のうち約71%はインターンシップに参加した企業から内定を付与されています。
しかし、企業側にとって重要なのは、インターンシップにおける「採用の効果性」です。つまり、「インターンシップを通じて早期内定を付与された学生のうち、どの程度の学生が自社に入社したのか」ということです。その割合は『53.7%』。つまり半分以上の学生は「インターンシップ参加先から就職先を選定している」ということになり、企業・学生の双方にとって、インターンシップが重要な位置づけになっていることが分かります(※2)。
知名度・志望度が低い業界・企業でもインターンシップ実施の効果はあるのか?
「我が社はニッチな事業を展開しており、学生からの認知度が低いため、インターンシップを実施しても効果がないのでは・・・?」そう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、知名度の高い大手企業や、学生にとっての人気業界と比較すると、集客面で苦戦することは事実です。ただ、就職活動の序盤であるインターンシップ期間における、業界・自社の知名度は、それほどまでに大きな関係性はありません。なぜなら、学生がインターンシップに参加する目的は「自分がどのような業界・職種・企業を志望するのかを見つけるため」だからです。
そして、インターンシップへの参加を通じて、学生の持つ業界・自社への印象を大きく変えることも可能です。下図は、インターンシップ参加前後における、素の企業や業界・職種に対しての就業意欲の変化を表したものです。ご覧の通り、約2人に1人は「この企業に就職したい」と回答し、約4人に1人は「この業界に就職したい」と回答しています(※3)。つまり、インターンシップ参加前は業界・自社に全く興味を示していなかった学生のうち、7割以上の学生はインターンシップへの参加を通じて業界・自社に対して好印象を持っていることが分かります。
以上のように、インターンシップは「学生との出会いの場」であるだけでなく、「採用に繋がる有効な手段」であることから、「採用の成否は、プレ期(インターンシップ)で決まる」と言えます。
(※3)引用:㈱ディスコ「キャリタス就活 2023 学生モニター調査結果」(2022年4月)https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/04/internshipchosa_202204.pdf
採用活動の主流はオンラインに
コロナを契機として、採用のオンライン化を図る企業が急増し、採用説明会や面接を中心に、ZoomやTeams等のオンラインツールを用いた採用活動が主流になりつつあります。当然、上記で紹介したインターンシップも例外ではありません。㈱ディスコの調査によると、74.4%の学生が「オンラインインターンシップのみ」に参加しており、「対面のみ」に参加した学生は19.3%に留まっています。つまり、インターンシップを含めた全ての採用活動において「オンライン採用」が主流になっているのです(※3)。
オンライン採用には、以下のようなメリットがあり、企業・学生にとって使い勝手の良いツールとして受け入れられているため、採用のオンライン化に着手できていない企業は、早急にオンライン化を進める必要があります。ぜひ、社内にてご検討ください。
【企業側のメリット】
- 全国の学生にアプローチできる
- 採用説明会やインターンシップへの参加ハードルが下がる
- テレワーク中でも実施できる
- 社員からの協力が得られやすい
- 採用業務の負担を軽減できる(会場手配・移動等)
【学生側のメリット】
- 帰省しなくても、地元企業のインターンに参加できる
- 自宅や大学から気軽に参加できる
- 移動等の時間・費用が軽減される
- 知らない企業でも参加しやすい
- 学業やアルバイトと両立しやすい