【2023年卒版】調査データから見る理系採用動向
2022年08月22日
もくじ
調査データから見る理系採用動向
動向①:インターンの参加に向けた情報収集は5~6月がピーク。就職活動の早期化が進む
㈱ディスコの調査(※1)によると、理系学生がインターンシップの情報を「探し始めた」時期は、大学3年生の5月が20.2%、6月が40.4%となっています。また、インターンシップの情報を「よく探した」時期は、6月が51.8%と最も高くなっています。
以上の動向から、23卒の理系学生は5~6月にかけて、夏季のインターンシップの参加先を探しており、多くの理系学生が早期から就職活動を行っていることが分かります。
動向②:インターンの参加時期は8~9月がピーク。一方で参加社数は文系に比べて少ない
同社の調査によると、理系学生がインターンシップに参加時期は、8月が24.7%、9月が19.5社と最も多く、また、22卒も8~9月が最も多いものの、23卒と比較すると8月の参加時期は+5.7%、9月が-1.2%となっており、より早期にインターンシップに参加している状況が見て取れます
一方で、1日以内のインターンシップの参加社数は文系が10.7社であるのに対し、理系は8.4社と少なく、ナビ媒体や採用サイト等の情報をもとに参加先を選定した上でインターンシップに参加していることが分かります。
動向③:4月1日時点での最終面接の経験量は文系よりも理系の方が多い。理系学生における早期の囲い込みが加速
上述の通り、文系と比較して総じて就職活動の活動量が少ない理系ですが、4月1日時点で最終面接を経験したことのある
理系学生は64.3%となっており、これは文系学生の53.2%を10%以上上回る数値となっています
つまり、採用難である理系学生の獲得に向け、インターンシップに参加した学生を中心に、各社が早期選考および内定付与を行うことで、学生の早期囲い込みを狙っていることが分かります。
理系採用を成功させるためのポイント
①インターンを主軸とした、早期・採用活動の実施
学業や研究室での実験等、文系学生と比較して多忙である理系学生は、限られた時間の中で就職活動を行っており、早期に就職活動を終了させたいと考える理系学生が多くいます。そのため、早期に就職活動を行い、インターンシップを通じて自身の就職先を見つけたいと考えており、また、学業に支障をきたさぬよう、特に夏季のインターンシップを重要視していることが分かります。
以上を踏まえると、企業側としてもインターンシップを主軸とした採用活動を展開し、他社よりも早く求める人材との接点を設けることが重要です。
②理系学生が考える「企業選択のポイント」を抑えて、自社の魅力・強みを発信する
同社の調査によると、理系学生が就職先を選ぶ際に重視する点として、「将来性」「給与・待遇」「福利厚生」「社会貢献」「業績・財務状況」が挙げられており、またこの優先順位等は専攻分野によって異なります(※1)。
採用難である理系学生を獲得するためには、他社との差別化や自社独自の魅力・強みを訴求する必要がありますが、内容としては自社が伝えたい魅力・強みではなく、理系学生が求める魅力・強みを訴求することが重要ですので、上記の観点をもとにインターンシップや採用説明会の内容をブラッシュアップしましょう。
③内定者フォローの充実化(内定者フォロー研修の実施)
理系学生は、文系学生と比較して大手企業・有名企業への志望度が高く、中小企業は内定辞退のリスクが高いと言えます。そのため、時間やお金をかけて採用した求める人材を離脱させないためにも、会社として内定者面談や社員座談会、内定研修等を通じた内定者フォローに取り組む必要があります
今まで内定者フォローをしていなかった企業は、新たに内定式や内定者研修等を企画・実施する、すでに実施しているものの内定辞退が発生している企業は、プログラムのブラッシュアップを図るなど、内定者フォローの充実化を図ることが重要です。