母集団形成とは？～母集団の作り方とメリット～

母集団形成とは？

「母集団」とは、もともと統計学で用いる用語で、「調べたいデータ全体」という意味です。
採用活動では、「自社に応募してくれる応募者の集団」のことを指します。そして、採用活動では自社の求人に興味や関心を持つ求職者を集める活動を「母集団形成」と呼びます。

「母集団形成」は「人材を採用する」ことが目的ですので、ターゲットとなる人材を集めることが重要であり、やみくもに多くの人数を集めればよいというわけではありません。ただ、「母集団」では「質と量、どちらが大事なのか？」ということを質問されれば、答えは「量」となります。「質」・「量」どちらも大事ではありますが、「量」がないと、「質」が低くなる可能性があるからです。

母集団形成のメリット

①選ばれる立場から選ぶ立場へ

「母集団形成」のメリットとしては、多くの求職者の中から、企業側主導で求める人材を獲得することができることにあります。
売り手市場の中、「求職者から選ばれなければ採用できない会社」から、「企業側が主導権を握って採用をすることができる会社」となれることは、採用活動において、大きなメリットになるでしょう。

②適切な採用予算を見積もることができる

他にも、「母集団形成」のメリットとして挙げたいのが、適切な採用予算を見積もることができるという点です。
「このターゲットを〇名採用するためには、少なくとも〇名からの応募が必要」といった観点で採用手法の検討ができるので、結果として採用予算の適正化を図ることができます。
「母集団形成」を行わなかった場合、明確なターゲットも採用人数も定まらないため、「とりあえず募集を開始する」という成り行き任せの状態となります。これでは「希望通りに応募が集まらなかった」といったことや、逆に「応募が集まりすぎて、対応するのに手間がかかり過ぎる」といった事態になる危険性があり、当初の計画以上に余分な費用が掛かってしまう可能性もあります。

また、「母集団形成」を意識しないで、「なんとなく」で採用活動をすると、目標の採用人数にとどかなかったり、そもそも意図した人材とは異なる人物を採用してしまうという事態に陥る可能性もあります。企業が継続的に成長するためには、計画的な採用が不可欠なことは明白です。計画していた採用ができないと、企業にも悪い影響を及ぼすことになるでしょう。

３．母集団の作り方

「母集団形成」の考えのもと、ターゲットと人数を明確にしたうえで、適切な採用活動を行うことは、会社全体の未来を考える上でも、とても重要です。
より効果的な「母集団形成」のために参考にしたいのが、「ＡＩＳＡＳモデル」です。これは商品を「認知」してから購入するまでの消費行動モデルです。

具体的に採用活動を「ＡＩＳＡＳモデル」に当てはめてみます。
まず「リクナビ」「マイナビ」「ハローワーク」などの採用媒体、そして合同説明会等でより多くの人材に自社を「認知」（Attention）させます。ここでは、求める人材像をもとに適切な媒体を選定することが重要になります。
そして、合同説明会等でのプレゼンや求人原稿で、自社の魅力や強みなどに「興味」（Interest）を持ってもらいます。この際、決して万人受けを狙おうと考える必要はありません。むしろ、求める人材へ向けたエッジの効いたものこそが必要になります。
さらに採用もオンライン化の時代ですので、ＷＥＢ上でも採用サイト、口コミ、ＳＮＳなどで広報活動をして情報を発信します。これで「検索」（Search）にも対応します。
そして、これらの取り組みを通じて、はじめて求職者がインターンシップや採用説明会、面接等に参加する「行動」（Action）につながることになります。

以上の「ＡＩＳＡＳモデル」のステップで整理して、採用活動の取り組みや実績を確認することは、「母集団形成」の課題を洗い出すことにも有効活用することができます。