中小企業を「受けた理由」「受けなかった理由」から見る、企業が訴求すべきアピールポイント
2022年12月02日 (更新日:2023年04月22日)
少子化の進行により、新卒採用の対象となる学生の数は年々減少しています。また、それに伴って特に若手人材の獲得競争が激化しており、「新卒採用活動をしているが、応募が全く来ない」という中小企業も多いのではないでしょうか?
今回は、㈱ディスコの調査データをもとに、学生からの応募を増やすために中小企業が訴求すべきアピールポイントについてご紹介します。
※出典:㈱ディスコ「キャリタス就活 2023 学生モニター調査結果」
(https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/10/202210gakuseichosa_kakuho.pdf)
もくじ
中小企業への選考応募状況
まずは、2023年卒の学生が、どの程度中小企業へのエントリー・選考応募を行っているかを確認しましょう。
同社の調査によると、「中小企業にエントリーした」と回答した学生は全体の 61.6%、「中小企業の面接試験を受けた」が 57.7%と、半数程度の学生が中小企業にエントリーまたは面接に参加しています。一見すると、一定数の学生が中小企業の選考に参加しているように思えますが、総エントリー社数の平均 27.1 社のうち、中小企業へのエントリー社数は 9.0 社、また面接受験社数の平均は総面接受験社数9.3社のうち3.1 社であるため、全体の1/3程度しかありません。
中小企業を受けた理由
中小企業を受けた理由を見ると、最も多いのは「やりたい仕事に就ける」「会社の雰囲気がよい」となっており、仕事内容が希望と合致すれば、企業規模を問わないという学生も多いことが分かります。また説明会や選考での対応を通じて社風のよさを感じた学生も見受けられます。
一方で、「内定を取りやすそう」「選考の練習台として」と回答する学生が一定数いることから、本命企業の滑り止めや面接の練習として中小企業を受ける学生も少なくないことが分かります。
中小企業を受けなった理由
一方で、中小企業を受けていない学生にその理由を尋ねてみると、「給与・ 待遇がよくない」「安定性に欠ける」「福利厚生が不十分」などが上位に挙がり、条件面での懸念が中心であることが分かります。
また、「知名度が低い」「発見しづらい」などの回答も一定数あるなど、「そもそも知るきっかけがない」「情報が少ない」という声が多く見受けられます。
中小企業を「受けた理由」「受けなかった理由」から見る、企業が訴求すべきアピールポイント
先述の調査データを踏まえると、中小企業が学生からの応募を増やすために訴求すべきアピールポイントとして、以下が挙げられます。
【仕事内容】様々なフィールドで、自身が主体となって活躍できる
多くの中小企業が人手不足に陥っているため、マルチタスクなプレイヤーが求められます。また一人ひとりが大きな責任を持ち、ある程度の裁量を持って仕事を進めることも必要でしょう。
これは、「一人ひとりの負担が大きい」という捉え方もありますが、見方を変えれば「様々なフィールドで、若手から主体となって活躍できる」という側面があり、大手企業にはない魅力となり得ます。
そのため、仕事内容だけでなく、上記のような魅力も併せて伝えることで「中小企業ならでは」のアピールを行うことが重要です。
②【社風】人間関係・風通しの良さ
社会人経験のない学生の場合は「何をするか?(仕事)」と同じくらい「誰と働くか?」を重要視する傾向があります。業務内外で常にコミュニケーションや相互連携を図る必要がある中小企業では、風通しの良さはアピールしやすいポイントと言えるため、求人原稿や説明会・面接等を通じて、しっかりと訴求しましょう。
③【福利厚生】働きやすさ
ワークライフバランスを重視する傾向が強い現代の若手世代にとって、やはり気になるのは、職場環境や福利厚生です。
福利厚生と聞くと、健康保険や厚生年金等の社会保険が該当しますが、それ以外にも「会社イベント」や「Eラーニング」、「食堂や食事補助」なども挙げられます。そのため、できる限り多くの福利厚生を紹介することで、「安心して長く働ける会社」であることをアピールしましょう。
また、調査データで示した通り、「知名度が低い」「発見しづらい」といった理由で中小企業を受けない学生が一定数いるため、以上の3点を中心として、①自社の強みや魅力を発信し続ける②求人原稿のみならず、SNSや採用サイトなど、あらゆる媒体を活用して自社の情報発信を行うことが応募を増やすためには重要です。