人材採用における企業の口コミサイトの重要性
2022年10月07日 (更新日:2023年04月10日)
もくじ
求職者や学生が転職・就活時に多用する口コミサイトとは?
口コミサイトとは?
人材採用における“口コミサイト”とは、企業を退職した元社員や現職の社員などが、匿名で元勤務先や現在の勤務先の企業に関する情報を投稿しているサイトのことです。
運営サイトごとに多少の違いはありますが、その会社の「労働時間」「職場環境」「休日数の満足度」「給与の満足度」などの口コミが掲載されています。代表的な口コミサイトとして、「転職会議」「enライトハウス」「Open Work(Vokers)」などがあります。
なぜ、人材採用において口コミサイトが重要なのか?
現在、人材採用において口コミサイトは、無視できない存在です。
それは、採用のオンライン化に伴って、WEB上における情報の“量”と“質”が、企業側にとっても求職者(学生)にとっても重要となっているためです。㈱マイナビの「大学生活動実態調査」によると、学生がナビ媒体等で興味を持った企業をより深く調べるための手段として、友人や家族、大学のキャリアセンターなどよりも口コミサイトが使われていることが明らかになっています(※1)。また、エンジャパン㈱の調査によると、半分以上の求職者が、「口コミサイトの掲載内容が原因で選考や内定を辞退したことがある」と回答しています(※2)
以上の調査からも、現状で求職者が、口コミサイトから情報を得て、就職活動をする上での貴重なデータの1つとして、活用していることがわかります。
会社側も「ネットの口コミなんて・・・」と軽く見て無視をすることは、もはやできません。
いくら採用媒体での原稿が魅力的であったとしても、あるいはインターンシップや企業の説明会、面接を通じて企業の魅力や働きがいをしっかりとアピールしたとしても、口コミサイトの評判が良くなければ、どこかで求職者に離脱されてしまう可能性があるのです。より良い人材を獲得しようと、様々な知恵を絞っても、“口コミ”によって良い結果を得ることができないことは現実的にあるのだと理解をするべきでしょう。
口コミサイトの仕組みと対策
口コミサイトの仕組み
基本的に、口コミサイトは企業の元社員が中心に匿名でその会社の書き込みが掲載されているという仕組みです。
なぜ、退職者が口コミを投稿するのかと言うと、口コミを投稿することで、他社の口コミを閲覧できるような仕様であるためです。また、退職したユーザーが投稿するケースが多いので、総じてネガティブな評価が掲載される傾向になり、これが会社としても、とてもまた悩ましいところです。さらに問題なのが数年前の口コミも残ってしまうため、現在の会社の実態とは大きく異なる内容が掲載されているケースも少なくありません。結局は何も対策をしていなければ、会社への好意的な書き込みが掲載されるケースが少なく、採用活動に大きな打撃を与える可能性は十分あります。
口コミサイトの対策
ただ現状、残念ながら人材採用においての対策で、口コミサイトに対する“特効薬”のようなものは存在しません。
基本的に過去の口コミを消すことはできず、新たな口コミを投稿し続けて、総合的な口コミサイトの評価をあげるしか方法がないのです。
結果として、できる対策としては、やりがいを持って働いてくれている既存社員に口コミ投稿を依頼し、働きやすさや仕事のやりがいなど、会社の実態に関する口コミを増やすということ程度しかありません。口コミサイトは他社の口コミを閲覧した退職者か転職活動中の社員が投稿するケースがほとんどですが、現職の社員の方でも投稿することはできます。
直接的なコミュニケーションがとれない現在のオンライン採用時代において、WEB上でどのような情報が発信されるかは、きわめて重要度が高いですので、口コミサイトは決して無視はできない存在です。ただ、繰り返しになりますが“特効薬”的な対策はないため、中長期的な取り組みが必要になるでしょう。