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転職者が抱える不安と企業が募集・選考段階で実施すべきこと

転職者が抱える不安と企業が募集・選考段階で実施すべきこと

今まで慣れ親しんだ企業を退職し、新たな組織での活躍を目指す転職者は、当然ながら様々な不安を抱えています。そのため、採用活動を行う企業としては、転職者の不安を解消し、自社への入社を前向きに検討してもらうための工夫や対策が必要です。

今回は、調査データをもとに転職者が抱える不安と企業が募集・選考段階で実施すべき取り組みについてご紹介します。

転職者はどのような不安を抱えているのか?

まずは、下図をご覧ください。こちらは、オープンワーク㈱の調査によると、転職者が抱える不安として、「希望にあった仕事が見つからないかもしれない」「収入が下がるかもしれない」「新しい職場で良い人間関係を築けるか」「転職先の社風と風土との相性」「転職先の企業・環境に適応できるか」といったことが挙げられます。

つまり、大きく分けると「仕事」「給与」「社風・人間関係」に対して不安を持つ転職者が多いことが分かります。

 

上記のうち、特に人間関係に対して不安をもつ転職者は多く、エン・ジャパン㈱の調査によると87%の転職者が人間関係に不安を感じています。

また、同社の調査によると、人間関係の中でも「直属の上司」に対して特に不安を持っており、転職前に転職先の人間関係について確認する方法として「口コミサイト」「職場見学」などが挙がっています。

※出典:「職場の人間関係」に関する調査結果(https://news.mynavi.jp/article/20220207-2266337/)

転職者の不安解消に向けたアプローチ(募集段階)

先述した調査データを踏まえると、転職者の不安解消のために企業が「募集段階」で実施すべきアプローチとして、「求人原稿の具体化・魅力化」が挙げられます。また、そのポイントとしては以下の通りです。

①具体的な仕事内容・業務フローを明記する(1日の仕事の流れ・商材/製品名・顧客数(新規/既存)

例えば、営業職の募集であっても、新規営業・飛び込み営業・ルート営業では必要なスキルや経験が異なり、また求職者の「営業活動」のイメージと乖離がある可能性があります。

また、取り扱い商材や顧客の規模・業種によっても営業活動の進め方等が異なるため、具体的な仕事内容を記載することで、「この会社なら自分の経験が活かせる!」といった入社後の働くイメージを醸成することが重要です

②モデル月給・年収例を明記する

自身が希望する年収通りになるか?また自身と同年齢の社員はどの程度の給与水準なのか?については、当然ながら転職者の大きな関心事でしょう。そのため、ターゲットとしている年齢やその前後の年齢における大まかな給与水準(月給・年収)を「モデル月給・年収」として明示することで、給与の対する不安を解消することが重要です

③人間関係・風通しの良さは「社員の声」「自社の特徴・社風紹介」を通じて訴求

離職理由の大半は「人間関係」です。そのため、転職先でも「人間関係・風通しの良さ」を重要視する転職者は多いでしょう。

一方で、社風や人間関係などは言葉や文章で表現することが難しく、なかなか求職者には伝わりません。

そこで、直接的に社風や風通しの良さを伝えるのではなく、「社員の声」を複数名掲載することで、間接的に社風や風通しの良さを伝えることが重要です。また、社員に対して「自社の好きなところは?」「自社の魅力は?」などのアンケートを実施し、その結果を求人原稿に掲載することで、自社の特徴や社風を訴求することができます。

④求める人材要件・福利厚生・働き方を紹介する

「自身とこの会社はマッチするか?」という転職者の不安については、求める人材要件とその背景・目的を掲載することで解消することができます。つまり「こういう人材なら活躍できる」というモデル(≒求める人材)を明示することで、自社との適合性を転職者に判断してもらうのです。

また、1社で長く働くことを考えた際、注目されるのは「福利厚生・働きやすさ」です。そのため、会社イベントや資格取得支援、有給休暇の取得率など、自社の福利厚生をできる限り多く掲載することで、転職者の不安解消と自社への興味喚起を図ることができます。

転職者の不安解消に向けたアプローチ(選考段階)

続いて、転職者の不安解消のために企業が「選考段階」で実施すべきアプローチですが、「面接を通じた具体的な情報提供・魅力づけ」が挙げられます。また、そのポイントとしては以下の通りです。

①転職者がやりたいこと・実現したいことと自社の仕事内容を結びつける

転職活動をしている求職者は、ほとんどの方が「次はこういう仕事がしたい」などの希望があります。そのため、まずは転職者本人が転職先でやりたいことや実現したいことをヒアリングし、それを踏まえた仕事紹介やその魅力・やりがいを訴求することで、「この会社なら自分がやりたいことができそうだ!」と思ってもらうことが重要です。

②面接以外の場で職場見学会・社員座談会を実施し、社風を体感してもらう

社風や人間関係との適合性については、やはり直接“体感”してもらうことが、入社有無を判断するための一番の参考材料となります。そのため、面接以外の場で職場見学会や社員座談会を実施し、働くイメージや社員とのマッチング度を相互に確かめることが重要です。

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この記事の監修・筆者

大園 羅文
大園 羅文(株)新経営サービス コンサルタント
「採用・定着コンサルタント」として、中堅・中小企業を対象とした人材採用支援(新卒・中途)、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。 特に、『採用・定着力の強化』を得意テーマとしており、中小企業独自の問題に対する支援を通じて、“若手社員が辞めない・成長する組織づくり”をテーマに掲げている。
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